カビ、虫食い

カビは繊維を食べてしまう

カビは小さな植物のようなもの

カビは、真菌といわれる微生物ですが、きわめて小さな植物だと思った方がわかりやすいのです。植物と同じように根があり、茎が枝別れして、その先に種を実らせます。根や茎に当たる部分を菌糸といい、種にあたるものを胞子といいます。衣服についたカビは、繊維の中に根をどんどん食い込ませ、繊維を分解して養分とするのです。このことから、カビがついた衣服は、すでに生地そのものが傷んでいるということになります。

湿気と栄養があればカビはどこにでも生える

カビは、80%以上の湿度と蛋白質や脂肪などの栄養があるところであれば、どこにでも発生します。繊維製品でも、ウールや絹のような蛋白質繊維を特に好み、シミや汚れがあれば、繊維の種類を問わずカビの原因になります。

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虫干しのおすすめ

梅雨明けの晴天に土用干し

気象庁によりますと今年の梅雨明け予想は7月20日前後とのこと。7月20日から立秋までの18日間を夏の土用といいます。夏の季語にもなっている「虫干し」は、この頃、カビや虫害を防ぐために書籍・衣服などを陰干ししたり、風にさらしたりすることをいいます。

衣服だけではなく収納スペースの湿気もとります

風通しの良い木造建築に比べ、マンションなどは湿気がこもりがちで、暗く温度の低い収納スペースは、結露しやすい状態になります。虫干しは、衣服の湿気を除くばかりではなく、風通しの悪い収納スペースに、新鮮な空気を入れる効果もあります。この機会に、防虫剤や除湿剤の交換をしたり、押し入れにスノコを敷いてカビや害虫対策を万全にしましょう。

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防虫剤を使う時の注意

防虫剤は一種類だけを使いましょう

防虫剤には、パラジクロルべンゼン、樟脳、ナフタリンなどを主成分とするものがあり、―般に使用されているほとんどの防虫剤は、バラジクロルベンゼンを主成分とするものです。このパラジクロルべンゼンと樟脳を同時に使用しますと、化学反応を起こし、液状に溶けてべトべトになってしまいます。

防虫剤と除湿剤の併用をおすすめします

バラジクロルべンゼンは、塩素の化合物です。このガスが、湿気と化合しますとラメやビーズ、金属などに、光沢の消失などの悪い影響を与えることがあります。パラジクロルべンゼンを主成分とする防虫剤を使用する場合は、除湿剤を併用し、湿気を吸収させるようにしましょう。

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春の仕舞い洗いを忘れた背広に虫食いはありませんか

ウールやカシミヤ、シルクなどのタンパク質繊維による背広やコート、セーターなどを仕舞い洗いせずに保管していると虫食いの被害にあいやすいのです。

虫は湿気と衣服の汚れが大好き

現代のほとんどの住宅は機密性が高く室内に湿気がこもりがちです。このことから、意外に保管中の衣服の虫食い被害が増えています。カツオブシムシやイガ、シミといった繊維(特にタンパク質繊維)を好む虫は、食べこぼしなどの汚れやシミが付いている部分が大好きで、その部分から食べ始めるという性質があります。秋冬物を取り出したら全体をチェックをしてください。

傷はどんどん広がりますからご注意

特にセーターなどのニット製品は、編み構造の性質によって、着用やクリーニングなどの影響で、傷が広がってしまいますから、出す前によく調べておいてください。

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飲み物のシミは目に見えませんが、カビや虫食いを誘います

年末の忘年会、新年会とパーティーや宴会の多いシーズンです。よそゆきの服の着用頻度もぐっと多くなります。目に見えない飲み物のシミでいっぱいになってはいませんか。

飲み物のシミは目では見えません

お酒やジュース類のシミは、乾燥すると目に見えなくなってしまいます。しかし、ほとんどの飲み物には、多くの糖分やアミノ酸が含まれています。これらの成分は、放置しておくと酸化して黄ばんだり、害虫やカビを誘います。

特殊なプロの水処理が必要になります

飲み物は、水によって溶ける成分で構成されていますから、ドライクリーニングだけでは、この目に見えないシミを十分に落とすことはできません。おしゃれ着のほとんどは、水洗い禁止の表示となっていますから、特殊なプロの水処理が必要になります。

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衣料品に穴が開く原因を考える

ときどきクリーニングした後で、穴開きが見つかることがありますが、通常のクリーニング工程では、一部分に穴を開けてしまうようなことはありません。

スレ、虫食い、強酸、タバコ、除光液などが原因

絹や綿などの素材で、気がつかないうちに、生地が擦れて繊維屑状になっている場合、クリーニングで繊維屑が落ちて穴明きになることがあります。絹や毛製品などは、それ自体が虫の大好きなタンパク質のかたまりですから、保管法によっては虫が食ってしまうことがあります。車などのバッテリーをいじったりすると希硫酸であるバッテリー液がついてしまうことがあります、この場合繊維が硬化し、洗いの揉み作用でその部分が剥げ落ちてしまいます。ポリエステルやナイロンのように熱に弱い素材は、タバコの灰でも溶けてしまうことがあります。歩きタバコの人とすれ違うときにも注意が必要です。アセテート繊維は、マニキュアの除光液で溶けてしまいます。

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冬物を出したら虫食い、カビ、変色をチェック

オフ・シーズンの保管から、そろそろ冬物を準備する時期です。クローゼットから出したら、虫食い、カビ、変色をチェックしましょう。

石油・ガスストーブを使うマンションは要注意

石油ストーブなどを利用する密閉性の高い住宅では、空気中の湿気が冷たいクローゼットの壁面にあたり露が浮いてくるようになります。湿気は、衣類の害虫やカビの育ちやすい環境を作ります。特にウール、シルクなどの動物繊維は念入りにチェックしてください。また、燃焼ガスに含まれる汚染物質は、綿やナイロン、アセテート製品などの染料を傷めてしまうことがあります。

虫食いはブラッシングして発見しましょう

虫食いは、出したばかりの時は、虫の食い散らかした繊維屑がその部分に残っていますから、穴があいているのか、毛羽が食べられているのかわかりにくい状態にあります。全体を入念にブラッシングして、繊維屑を取り去ってから点検しましょう。

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しまい洗いを忘れた冬物をカビが狙ってます

クローゼットの中に、しまい洗いを忘れた冬物衣類が残っていませんか。冬物の衣類にシミや汚れが残っていると、カビが繁殖するための格好のターゲットになります。

カビは湿気のある場所で繁殖します

カビの菌はいたるところにあり、特に風通しの悪いクローゼットの中は、カビが繁殖しやすいく、特にシミや汚れには、糖分や塩分など湿気を集める成分が含まれているのでカビが付きやすいのです。大切なお召し物はクリーニングして清潔に、そして晴れた日には虫干しをしてください。

黒や黄色などの斑点がシミのようになります

カビには多くの種類があり、色々な色になります。カビの菌は、繊維の組織に菌糸という根を張って、繊維を分解し、生地をいためてしまいます。シミや汚れは落とせますが、カビで傷んだものは、元通りにはなりません。

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